「finger」 と 「singer」 の発音の違い:/ŋg/と/ŋ/

発見!英語の音

はじめに:「finger」 と 「singer」

発音の違いは「f」と「s」だけじゃない!?

ある日、アメリカの大学院で言語学の授業を受けているとき、ある発音について衝撃を受けました。

それは、「finger」と「singer」の発音の違いです。

この二つの単語、スペルの違いは [f] と [s] だけなので、私は「finger」と「singer」の発音の違いは、[f] と [s] の部分だけだと思っていました。

「finger」「singer」発音の違い

しかし、「finger」は、発音記号で書くと /fɪŋɡɚ/ というように、[g] の音が入っていますが、「singer」は、発音記号で書くと /sɪŋɚ/ で、[g] の音が入っていません。

  • finger /fɪŋɡɚ/
  • singer /sɪŋɚ/

「finger」「singer」単語の違い

「inger」の部分、スペルは同じなのに、読み方が違う要因は何でしょうか。

それは、単語のつくりが違うためです。まず、「singer」を意味を持つ最小単位まで分解してみます。「singer」という単語は、「歌う」という意味の「sing」と、「~をする人」を表す「er」で構成されているので、「sing」と「er」に分解できます。

次に、「finger」を分解してみます。「finger」とう単語は、それだけで「指」という意味なので、これ以上分解できません。(「finger 」は、「fing+er(fing する人)」という意味ではありません。)

この 「singer (sing+er)」のようなつくりの単語は、ほかにも「player (play+er)」、「teacher (teach+er)」がありますが、これらの発音は、ほとんどの場合、「play」「teach」の部分の単語に「er /ɚ/」を付けて発音します。

  • sing /sɪŋ/ – singer /sɪŋɚ/
  • play /pleɪ/ – player /pleɪɚ/
  • teach /tiːtʃ/ – teacher /tiːtʃɚ/

一方で、「finger」(他にも「hunger /hʌŋɡɚ/」など)は、/fɪŋɡɚ/ と発音される単語です。

この通り、「singer」と「finger」の発音の違いは、発音記号上では見えてきたかなと思います。それでは、実際に、/ŋɡ/ と /ŋ/ の発音はどう違うのでしょうか。そもそも /ŋ/ ってどのような音でしょう。

/ŋ/ の発音

/ŋ/ の発音は、口の中の舌の動きは、/k/ や /g/ と同じで、違いとしては、空気が「口」からではなく、「鼻」から抜けます。単語でいうと、「think」「thing」「king」「thinking」などに、この /ŋ/ の音が入っています。

  • think /θɪŋk/
  • thing /θɪŋ/
  • king /kɪŋ/
  • thinking /θɪŋŋ/

ここで発音記号をよく見てみると、実はこの「think」という単語の発音は、「thing」の発音に /k/ が付いただけです。同様に、「sing」の発音に、/k/ が付くと、「sink」になります。

  • think /θɪŋk/ – thing /θɪŋ/
  • sink /ŋk/ – sing /sɪŋ/

日本語話者は、「sink」や「think」の発音の中の /ŋ/ は無意識に発音できているかもしれません。なので、逆に考えると、「sink /sɪŋk/」や 「think /θɪŋk/」の発音から /k/ の発音をとれば、「sing /sɪŋ/」や「thing /θɪŋ/」の /ŋ/ がどういう発音か想像できるかもしれません。

そしてさらに、その「sing /sɪŋ/」に「er /ɚ/」を付けたら、「singer /sɪŋɚ/」となります。「sink /sɪŋk/」の /k/ の音を消して、代わりに /ɚ/ を付けた発音です。

一方で、「finger /fɪŋɡɚ/」にもこの /ŋ/ の音が入っています。そしてさらに、/g/ の音も発音されます。

まとめ 💬

  • finger /fɪŋɡɚ/ ※/g/ も発音される
  • singer /sɪŋɚ/ ※/g/ の音は無い

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