「finger」と「singer」の「inger」の部分の発音は同じじゃない?
こちらの記事では、「finger」と「singer」の発音の違いを解説します。
「finger」 と 「singer」
「finger」 と 「singer」のスペルの違いは [f] と [s] だけです。しかし、「inger」の部分の発音はそれぞれ違います。
「finger」と「singer」の発音の違い
「finger」は、発音記号で書くと /fɪŋɡɚ/ で、[g] の音が入っています。一方、「singer」は、発音記号で書くと /sɪŋɚ/ で、[g] の音が入っていません。
✔ finger /fɪŋɡɚ/
✔ singer /sɪŋɚ/
「finger」と「singer」の単語の違い
「inger」の部分、スペルは同じなのに、読み方が違う要因は何でしょうか。
それは、単語のつくりが違うためです。
まず、「singer」を意味を持つ最小単位まで分解してみます。「singer」という単語は、①「歌う」という意味の「sing」と、②「~をする人」を表す「er」で構成されてます。従って、「sing」と「er」に分解できます。
✔ sing + er
(歌う)(人)
次に、「finger」を分解してみます。「finger」とう単語は、それだけで「指」という意味なので、これ以上分解できません。
✔ finger
(指)
「finger 」は、「fing+er(fing する人)」という意味ではないので、これ以上分解できません。
この 「singer (sing+er)」のようなつくりの単語は、ほかにも「player (play+er)」、「teacher (teach+er)」があります。これらの発音は、ほとんどの場合、「play」「teach」に「er /ɚ/」を付けて発音します。
sing /sɪŋ/ – singer /sɪŋɚ/
play /pleɪ/ – player /pleɪɚ/
teach /tiːtʃ/ – teacher /tiːtʃɚ/
一方で、「finger」(他にも「hunger /hʌŋɡɚ/」など)は、/fɪŋɡɚ/ と発音される単語です。
finger /fɪŋɡɚ/
hunger /hʌŋɡɚ/
この通り、「singer」と「finger」は単語のつくりが違うため、「inger」のスペルは同じでも発音は異なります。
それでは、実際に、「finger」の /ŋɡ/ との「singer」の /ŋ/ の発音はどう違うのでしょうか。
そもそも /ŋ/ ってどのような音でしょうか。
/ŋ/ の発音と「finger/singer」
/ŋ/ の発音
/ŋ/ の発音は、口の中の舌の動きは、/k/ や /g/ と同じです。
違いとしては、空気が「口」からではなく、「鼻」から抜けます。
単語でいうと、「think」「thing」「king」「thinking」などに、この /ŋ/ の音が入っています。
think /θɪŋk/
thing /θɪŋ/
king /kɪŋ/
thinking /θɪŋkɪŋ/
ここで発音記号をよく見てみると、実はこの「think」という単語の発音は、「thing」の発音に /k/ が付いただけです。同様に、「sing」の発音に、/k/ が付くと、「sink」になります。
✔ think /θɪŋk/ – thing /θɪŋ/
✔ sink /sɪŋk/ – sing /sɪŋ/
日本語話者は、「sink」や「think」の発音の中の /ŋ/ は無意識に発音できているかもしれません。
従って、「sink /sɪŋk/」や 「think /θɪŋk/」の発音から /k/ の発音をとってみてください。
「sing /sɪŋ/」や「thing /θɪŋ/」の /ŋ/ がどういう発音か想像できるかもしれません。
「finger」と「singer」の発音
さらに、「sink /sɪŋk/」から、/k/ の音を取り除いた「sing /sɪŋ/」に「er /ɚ/」を付けると、「singer /sɪŋɚ/」となります。
一方で、「finger /fɪŋɡɚ/」にもこの /ŋ/ の音が入っています。発音としては、/fɪŋ/ に /gɚ/ の音を加えると、「finger /fɪŋɡɚ/」となります。
まとめ 💬
- finger /fɪŋɡɚ/ ※/g/ の音がある
- singer /sɪŋɚ/ ※/g/ の音は無い
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